iPhoneアルミケースやアルミバンパーに使用されるアルミ合金でジュラルミン(A2017)や超々ジュラルミン(A7075)については紹介してきました。
今回紹介するのは、最近人気が急上昇している”alumania”や”ELEMENTCASE”などのケースブランドが使用しているアルミ合金A6061の特徴などを書いていきたいと思います。
アルミ合金6000系とは?
アルミ合金6000系の成分はマグネシウムとシリコンを添加されているコトが特徴で、それにより耐食性に優れたアルミ合金となっています。今まで紹介してきたジュラルミンや超々ジュラルミンと決定的に違う点は”耐食性”です。
欠点としては、iPhone用のアルミ合金としてはあまり関係ないですが、溶接などには不向きです。使用用途としては耐食性に優れる点からボルトやリベットなどに使用されるコトが多いです。
アルミ合金A6061の特徴
アルミケースやアルミバンパーに使用される6000系のアルミ合金ではA6061が多いです。先程も述べたようにマグネシウムとシリコンを添加しているため耐食性に優れていますが、ジュラルミンや超々ジュラルミンのような強度・硬度はありません。
全ての面で完璧なアルミ合金というのは正直ありません。だから、数多くのアルミ合金が存在していますし、使用される用途によって分類されているというコトになります。
「じゃあ、A6061はiPhoneケースに向いてるのか?」というコトになると思いますが、あくろの考えとしてはiPhoneケースに使用されるアルミ合金で1番重要なコトは”強度”だと思います。
耐食性に優れるといっても大体のモノがアルマイト処理を施されているし、1つのアルミケースを5年も10年も使用するユーザーはあまりいないと思いますからね・・・。iPhone 5sが発売されれば欲しくなるでしょうし、今回は我慢してもiPhone 6が発売されたら買い換える人も多いでしょうから。
というと、「ジュラルミンの方がやはりiPhoneケースには向いている!」となりそうなんですが・・・そうでもないんです。アルミ合金、奥が深いです(;´∀`)。
T6処理とは?
A6061は強度が劣ると先程言いましたが、その強度を向上させるのがT6処理です。CAPDASEやELEMENTCASEのWEBサイトには記載されていませんが、alumaniaのWEBサイトでは使用素材は「A6061-T6」と表記されています。これはT6処理を施したアルミ合金を使用しているというコトになります。
T6処理とはアルミ合金中の溶け込んでない元素を均一に溶け込ませてあげる溶体化処理・焼入れ・焼戻しを行う処理のコトです。その結果、欠点であった強度を向上させるコトが出来ます。A6061-T6は強度良し!耐食性良し!のアルミ合金となるわけです。
「じゃあ、なぜA6061-T6を使用するブランドが少ないのか?」というコトになります。これは製作している方々に聞かなくちゃ本当の所は分かりませんが・・・、A6061はシリコン添加のために”粘り”が出ます。その粘りが原因となって、削り出し作業時に出る削りカスが素材に付着しやすいという欠点もあるので、嫌われるのかもしれません(;´Д`)。
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